相続が心配な方は読んではいけません。
特に資産家のお子さんたちは・・・。

何故なら相続は、始まるまでは親の問題。
亡くなってから初めて相続人、子ども達の問題になるからです。

親の生前、子ども達がどんなに騒いでも
それはカタチを変えた「スネかじり」のようにしか
思われないのが現実でして、それを生々しく書いたのがこの本です。

司法書士が書いた相続トラブルの実話です。
著者の川原田先生はイケメンの先生で、私も一度だけ面識があります。
物腰柔らかながら、とても実務経験豊富な先生です。

相続の現場をよく見てこられただけあって、非常にリアルなトラブル集に仕上がっています。

親子や兄弟間の会話形式で綴られているのもリアリティを強くしています。
以下、私が興味深った箇所を抜粋しました。

【土地の共有について】
・1個のものを2人以上で所有しているという「共有」の状態は、当たり前の話ですが
「単独で所有」している場合とは全く異なる制約を受けます。(p154)

【銀行口座凍結で行員に言われた言葉】
・「申し訳ございませんが、当行所定のお手続きをお願い致します。」(p172)

【名義預金で争う姉弟】
・姉「何言ってるのよ。通帳の名義がうちの子のもだって言ってるでしょ。」(p13)

【特別受益について】
・生前に故人から受けた色々な援助は、専門用語でいうところの「特別受益」として、
故人の遺産のなかにいったん戻して計算しなさい、と規定しているのです。(p138)