もう随分昔のことです。
仕事でお使いを頼まれて
消費者金融業者の事務所に
入ったことがあります。
俗に「サラ金」と言われる会社に入ったのは
初めてだったのでとても印象に残っています。
応対していただいたお兄さんは
トラ柄のネクタイをしていました。
なかなかアバンギャルドな方です。
他にも、とっても迫力のある方々が
ズラリと並んでおられます。
私は用事を済ませて無事帰れたのですが、
エレベータが一機しかなかったので
階段を下りていきました。
入るときは、あまり意識してなかったのですが、
そのビルはなんと消費者金融業社ばかり集まった
ビルなのです。
そしてそれ以上に驚いたのが、その客数の多さでした。
不況の真っ只中ということもあって、どのフロアも盛況です。
し、しかも、さっき私が要件を済ませた事務所で
お金を借りていた人が、下の階の別事務所でも
なにやら手続きをしている様子。
まさしく「ナニワ金融道」の世界です。
この業界ではお金を借りることを
「つまむ」と表現します。
一度「つまむ」ことを憶えると中毒になり
文字通り借金地獄に陥るのです。
さて、ここからが本題です。
貸金業法改正が話題になっていますが
平成18年9月16日の日経新聞によると、
「上限金利を一気に引き下げれば
業者が貸出先を選別する動きが強まり
借りられなくなる人が大量に発生しかねない点に配慮。」
とあります。
だから2年半の猶予期間を設けて
上限金利を20%に下げるのだとか。
私はこの法案の内容や運用について
特別な興味があるわけではありません。
私が思うのは、金利が与える影響について
学んで欲しいということなのです。
例えば
100万円の手持ち資金を
金利1%で30年運用しとしても
135万円にしかなりません。
一方、100万円の借金をして
金利20%で30年放置しておくと
2億3000万円超に残債が膨れます。
ちなみに29.2%という現在の上限金利で
放置しておくと、21億円突破です。
今回(平成18年)の貸金業法改正で
金利に規制をかけるとのことですが、
本当に重要なのは金利に対する
正しい知識なのではないでしょうか?
注)この記事は2006年9月に「貸金業法改正」にニュースの際に
私が書いたコラムを加筆修正したものです。