2020年春。コロナウィルスで株価はバーゲンセール状態。
お客さまからも様々なお問い合わせを頂きます。

「今、投資の好機でしょうか?」

とか

「投資を見直す(組み替える)チャンスなのでしょうか?」

これに対する答えは貴方の「投資スタイル」によります。そのためには、まずお金を「3つの財」布に分類して欲しいのです。その上で今の自分に必要な財布を手厚くしてください。

1.【生活に必要な財布】

今大事なのは預金です。
有事を乗り切れる資金余力を用意しておきましょう。

2.【長期資産形成の財布】

目的が老後資金のように10年以上先に使うお金の場合です。
多くは確定拠出年金(iDeCo)やNISAなどで投資信託を使っていらっしゃることでしょう。
購入時にアセットアロケーション(ポートフォリオ)を組んで利回りを想定した計画的な投資をされている方は、こういう危機でも大きく動く必要は無いものと私は考えています。

特に月々積み立てなさっている場合は、株価の下落局面では沢山の「口数」が買えますから、じっと我慢するのが良いのではないかと思います。

問題なのは一時払いでドカーンと500万、1000万(それ以上)投資されている方。
不安を抱いている方も多い一方で、リーマンショックの時もそうでしたが、私のお客様の一部はこのような局面で投資信託を追加購入を検討される方がいます。勿論、余力の範囲内でのことで所謂「賭け」ではありません。結果から言うと、当時追加で投資をされた方々は皆、大きな成功を収められました。投資信託を使った長期投資、分散投資の考えがしっかり分かっている人はこのような「ナンピン買い」もありでしょう。

ただし、10年以上の投資をするけれど個別の株式でという話でしたら話は別です。選ぶ銘柄によってもリスクが異なりますから、この限りではありません。現時点(2020年4月4日)でも魅力的な水準まで多くの株が下がっているものの、これで下げ止まりとも言い切れません。いずれにせよ自己責任です。

3.【取引用の財布】

最後は相場の状態を見ながら株の売買等で利ざやを稼ぐ方法です。
これは必ずしも持っていなくてもいい財布です。しかしながら今は株安ということもあって口座開設もうなぎ登りのようです。
個別株式の投資が代表例で、相場の状態を見ながら株の売買等で利ざやを稼ぐ方法です。順番としては「長期資産形成の財布」を作ってから余力資金で始めてください。失っても良いというくらいの心構えがあるのなら、先物取引やFX(為替証拠金取引)のようなものでも私は構わないと思います。

大切なことは
・どういうリスク(為替リスク、マーケット、カントリーリスク等)があるのか?
・元本だけを失う投資なのか?
・更に追証といって追加証拠金という費用がかかるか否か?

こういったリスクの「違い」をしっかり把握することです。

この違いを理解した上で自己責任でやる分には何ら問題はないですし、私も今まで相談を受けて反対したことはありません。
「勉強」と考えて失敗含めて経験することに価値があると考えるからです。

【やってはイケナイこと】
いただけないのは、このような投資のスタイルを最初に語ることなく、株価が下がったからという理由だけで、他人のいう推奨銘柄等に乗っかることです。

まずはご自分の資産を上記のような3つの財布に分類してみてください。
そして、それぞれの財布で使っている金融商品が何の目的で加入されたのか、リストアップしてみることをお勧めします。

そして以下のチェック項目について考えてみて下さい。

□ 今の資産配分のままで将来も安心して暮らしてゆけるでしょうか?
□「生活用の財布」、つまり現預金の比率は多すぎませんか?
□ ペイオフ対策は万全ですか?
□「長期資産形成の財布」は何年後にいくらになってるでしょうか?
□「長期資産形成の財布」を用意せずに、「取引用の財布」でギャンブル的な
  運用をしていませんか?

資産形成を上手に行うには、まず目標設定を行う。
そして目的に見合った正しい「財布」(商品)選びをすることが重要です。