ココ一番屋、創業者の宗次さんの一冊。
2年ほど前に宗次さんの講演伺ったこともありまして、その時の講義メモと照らして読んだせいか、より感慨深いものがありました。以下、当時の講義メモもまじえて語ります。
児童養護施設から3歳の時、養父母に引き取られます。高校入学の時に取り寄せた戸籍謄本で本当の誕生日を知り、自らが養子であることを知った宗次さん。養父に暴力を受けながらも「日々の暮らしの中で養父母こそが自分の本当の親だと思っていた」から養父母が好きだったと語ります。食べるものがなく野草を口にするような生活をし15歳の時に初めて電気のある生活を体験したくらい、貧乏だったようです。
そやって起業から事業譲渡まで。
1996年の閏年366日1日も休まず5500時間以上仕事をする目標を掲げ5637時間を達成。1日平均15時間半、制服を着て仕事をしたエピソードが胸を打ちました。
今は数々の社会貢献活動をなさっています。
私が講演を伺ったときは既にリタイアされており、経営者として成功したのは「ゴルフをやらなかったから。ゴルフをやって人脈増やしても従業員は守れない」とおっしゃっており、逆に失敗したことはと聞かれた時、「46歳のとき間違ってゴルフをやったこと」と語っておられたのを何故か妙に記憶していました。
そんな宗次さん、この本ではココイチ開業時を振り返って、「妻30歳、この世の中に血の繋がった存在がいない私にとって重大問題でした。(中略)妻は妊娠しました。」と記されています。
ただこの本にはありませんが、宗次さんのご子息はプロゴルファーだとネットで知りました。宗次さんの人生をこうやって見直すと、ジーンと来るものがあります。
【珠玉の一文】
「こんな働き方は労働法に縛られない経営者でないとできないこと。そうしないではいられなかったし、何よりもそれを楽しんでいました。」
全てが「真心」からの活動であり、感動的なビジネス書でした。
【その他刺さったコトバ】
・接客業こそ自分の天職だ
・ここシャネルにならってココと表記することにしました
・「ニコ・キビ・ハキ」ニコニコ、キビキビ、ハキハキの略
・夫婦で汗を流し専業なりわいとしてカレーハウスの形に伝わる事が(のれん分けの)条件
・社員の「のれん分け」独立制度ブルームシステム
・経営とは継続して栄えること、つまり「継栄」
・50歳独立しそして25年500店舗で誰にも相談せずに株式の店頭公開を決定、53歳で取締役を解任。お客様からいただいたアンケート葉書1000枚を自宅に持ち帰り、その全てを読み終えてからこれで全ての責任を果たした。ありがとうございましたと言う気持ちから、改めてバンザイ三唱をして床についたことを覚えています。
・決めたことが守れないなら、ココイチの看板を返しなさいと真剣に怒るのは直美の方でした。
・1990年には借入金が155億円まで膨らみましたが、直美の人間味と情熱あふれる交渉によって、それまで1度も融資を断られた事はありませんでした。
・毎日1000通の葉書を3時間半かけて読みました
・1996年の閏年366日1日も休まず5500時間以上仕事をする目標を掲げ5637時間を達成。1日平均15時間半、制服を着て仕事をしたことになります。(中略)こんな働き方は労働法に縛られない経営者でないとできないこと。そうしないではいられなかったし、何よりもそれを楽しんでいました。
・店は掃除で蘇るのです
・接客業で最も大事なのは真心を込めた経営だと私は思います。