「ビールを100円で売るか?焼酎を1000円でキープさせるか?」

これは先日、私が講義を担当させていただいた経営者勉強会での質問のひとつです。

その日は「会計から考えるお客さまづくり」という
テーマで良い安売り、悪い安売りを参加者で考えてみました。

ビールを100円で提供する話、
実は一圓克彦氏の「ひとり社長の稼ぎ方・仕事のやり方」の事例に
ヒントを頂いて講義を作りました。

この本によると飲食店経営をしていた一圓氏はあるとき
顧客獲得のため100円でビールを提供。

すると結果はどうなったか?

顧客数は7倍に伸びたものの、赤字は100万円になったと。

ビールに釣られてフードが伸びるという甘い考えは砕かれ
ビール目当ての客が大量に押しかけ、
このキャンペーン終了後には2度と来店されなかった
という痛々しいエピソード。

実は本にはここまでしか書いていないのですが、
この時、一圓氏は顧問税理士にこう言われたと話していました。

「他人様に迷惑かける前に、あなた経営者をお辞めなさい」

前回の私の授業では売り上げをストラック図という形式で可視化し
なぜこのような事態が起きるのか解説しました。

その一方で、私の知り合いの居酒屋さんは
いつもお客様に溢れています。

それは時折、常連のお客様だけに1000円ボトルキープの
案内を出しているそうです。
これはビールを100円にするのと似て非なるものですよね。
だってなかなか焼酎一本キレイに飲み切って帰るという訳には行かないですから
次回に少し残しますものね。

これならリピートを増やす上手い戦略になると思いますし、
お店の価値を理解してもらっているお客様を大事にする姿勢も
伝わると思います。

お客様をお店のファンにする良い事例だと感じた次第です。