私が中学生の頃、
「お父さんが死んだらこのボールペンを形見として大事にするね」
と言ってこっぴどく親父に叱られた高野です。

あろうことかそんな私が今、相続診断士なんかやっているとはホント人生って不思議なものです。

そんなバチかぶり野郎にも相続の相談は、そこそこあるものでして、
このブログでは「人の不幸は蜜の味」と題して、
実際にあった話をオブラートに包んでお伝えして参ります。

出会いは2015年のことでした。
あるご夫婦が相続の相談に来られました。

奥様のお父様が亡くなった葬儀の日に
甥っ子が姉弟になっていた!
というのです。

詳細を聞くと相続対策でお父様は長男の子ども(相談者の甥)を
養子縁組していたのだとか。
それも意思表示できる状態だったのか怪しい時期に・・・

もっと話を深く聞いていくと
弟家族による遺言の書き換え騒動や
お金の使い込みなど
まあ出るわ出るわ色々な話。

相続問題というよりは事件に近い話を
沢山伺いました。

これはもう法律の専門家に任せるほかないと考えて
3名の弁護士に相談し、訴訟も視野に入れた
対策をとお話したところ、こう言われたのです。

「お父さんの墓参りに行けなくなるのがつらいから
弁護士を入れるのは辞めておきます。」

「相手は弁護士を立てて十分準備してるのに
大丈夫ですか?」

「弟家族に有利になっても仕方ありません」

こんな話をしてお別れしました。

それから2年たった2017年のある日、
私の相続セミナーに参加された奥様。

当時のお礼と言われて
なんと「相談料」をお持ちくださったのです。

そしてお別れしてからの経緯を簡単にご説明くださいました。

あれから「調停」に入り、弟家族に良い条件での
遺産分割にサインしたとのことでした。

そして最後の言葉がとても印象に残りました。

「私は介護の仕事をしてきて
ひと様のご家庭には成年後見制度を何度も紹介してきたけれど
自分の家をおろそかにしていました。
まさか我が家がこうなるなんて・・・。
こんな悲しい相続が減るように
ぜひ、私の経験を広めていってください。」

私は2003年からマネーセミナー講師として活動していますが、
一番印象に残っている相談事例です。

Iさん、有難うございます。
円満に愛ある資産継承のお手伝いしていきます。