先日、某金融機関で開かれた「宗教法人開拓」セミナーなるものに参加してきました。

金融機関の代理店向けに「宗教法人」の事業承継の実態を
現役住職に教えて頂きました。

世間には「坊主丸儲け」と言う言葉もありますが、
昨今の事情を聴くにつれ、この業界ほど事業承継がシビアな業界も無いように感じました。

寺院の抱える問題として
・檀家さんたちとの人間関係
・住職が事故病気で働けなくなった時の対応
・住職自身の葬儀
・住職死亡後の後継者問題
・後任住職が前住職の寺族を追い出す事例多数などなど・・・

中でも「檀家がある限りお寺を廃業には出来ない」と言われていたのが印象的でした。
その様な状況下でお寺を継ぐには後継者にも相当の覚悟だけでなく経済的基盤も
必要だと感じました。

昨日お話された講師は超有名大学を卒業後、
有名な信託銀行に10年勤めたのちに親のお寺を引き継がれたそうです。

質疑応答の際、今度はご自身が後継者に引き継がれる立場になって
後継者に求めるものをお尋ねすると次の2つを言っておられました。

一つは仏教の道が好きである事。

そしてもう一つは宗教法人と言うくらいなのだから
「法人」としての在り方を模索して欲しいとのことでした。

「住職で居続けたい住職は多い。
引退しない80歳の住職。
その下で一生懸命働く50歳の副住職が腐ってはいけない。
世間の法人ではそのようなことはないはず。」

檀家さんをお客様、お寺の役員を従業員と読み換えると
その構造は民間中小企業と同じです。

キチンと先代が退職して後継者へ引き継ぐ。

そのために有効な「退職制度」のご提案であれば
宗教法人と金融機関がウィンウィンの関係になる
とおっしゃっていたのは、会場も大きく頷いていました。

そしてもし、我が家のお寺が無くなってしまうと想像すると
たいして信仰深い人間でない私でさえそれはちょっと・・・
と思いますものね。

私も微力ながら宗教法人の皆様のお役に立ちたいと思いました。

美味しい相続セミナー